お金

お金がなくても人生を楽しんでいる人が、世の中にはいる。

そういう人はつまり、お金を必要としない趣味を持っている。

お金は稼ぐのは簡単でないが使うときは一瞬だ。別にいらないものでも買ってしまえばなくなってしまう。

何にお金が一番必要かといわれれば、性だと思う。

少し前時代的なのはあるが、一般的には男は基本的に働いてお金を稼がなくてはいけない、とされている。

男が女を求めなくなったらみんな働かなくなる。男が働くモチベーションの大部分は女を求めたい、という欲求に基づいている。英雄色を好む、というが、これは色を好むから英雄になれた、という意味にとらえることができる。

勿論今は女も働かなくてはいけない。女はどういうモチベーションで働くのだろう。

結婚したい、とか子供を産みたいとかそういう欲求がなくなった場合、男と同様、働かなくなる気がする。

本来労働は、ご飯を食べていくために消極的にされるものだったはずだ。

文明が発展して性的価値観が変わり、今もその発展と変化は加速している。

俺ははっきり言って働くことが嫌いだ。

働いてお金を稼いで使うか、〈あまり〉働かないでお金を節約するか、という話だけではなく、お金がないということは男性にとって性の土俵から降りることをほぼ意味している。

別に飯は松屋でもいいし、酒を飲むときは上野の立ち飲み屋でいいし、服はユニクロで十分なのだが、稼がないと基本的に女に相手にされない。それがつらい。

だから、俺は今のうちに、一人でいることに慣れる必要がある。

お金を使わずに、一人で楽しめることがある人は間違いなくそうでない人に比べて精神的に豊かだし、幸せだ。でも、そういう人間になれる人は限られているように思う。

俺はそういう人間になれるのか。わからない。ただ、努力はしたい。